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三重大学 工学部 編入 体験談

こんにちは!MSKです。このブログを読んでいただきありがとうございます。

今回は三重大学工学部総合工学科電気電子コースの編入試験の傾向と対策についてお伝えします。

学力検査

学力検査の科目は、専門(電磁気学、電気回路)と数学と英語(TOEIC)です。試験時間は専門は90分で数学は50分でした。なお、最新の情報は必ず募集要項を確認するようにしてください。学力検査の配点については公開されていませんが、私は英語(TOEIC)を100点満点と仮定すると、専門(電磁気学、電気回路)が200点満点、数学が100点満点の計400点であると試験時間等から推測しました。あくまでも推測であるので、参考程度にしてください。

 

専門(電磁気学、電気回路)

過去の出題傾向を以下に簡単にまとめます。毎年大問が4つあり、1と2が電磁気学で3と4が電気回路となっています。詳細は過去問を請求して確認してください。請求方法は募集要項に記載されています。

 

R5(問題が手元にないので思い出せる範囲で書いています)

1.誘電体に関する問題

2.ビオ・サバ―ルの法則を用いる問題

3.交流回路の問題

4.過渡現象の問題

 

R4

1.ガウスの法則を用いる問題

2.ビオ・サバ―ルの法則を用いる問題

3.ベクトル軌跡の問題、相互誘導回路の問題

4.過渡現象の問題

 

R3(実施無し)

 

R2

1.ガウスの法則を用いる問題

2.アンペールの法則を用いて磁束密度を求める問題、誘導起電力の大きさを与えられた文字を用いて表す問題

3.交流回路の問題

4.過渡現象の問題

 

H31

1.ガウスの法則を用いる問題

2.ビオ・サバ―ルの法則を用いる問題

3.交流回路の問題

4.過渡現象の問題

 

H30

1.点電荷による電場や電位を求める問題、電気鏡像法を用いる問題

2.磁界中におけるイオンの円運動に関する問題

3.交流回路の問題

4.過渡現象の問題

 

H28

1.ガウスの法則を用いる問題

2.アンペールの法則を用いて磁界を求める問題、自己インダクタンスを求める問題

3.交流回路の問題

4.過渡現象の問題

 

電磁気学は毎年、電界に関する問題が1題、磁界に関する問題が1題出題されています。ガウスの法則や、ビオ・サバ―ルの法則、アンペールの法則は良く出題されていますので確実に使えるようにしてください。ときどき難しい問題も出題されますが、とにかく基本的な問題を一通り解けるようにしておくといいと思います。磁性体と電磁波の分野からは過去数年間で出題がありませんので今後も出題される可能性は低いと言えます。自分はこれらの分野は一切勉強しませんでした。

自分が使用した参考書は、電磁気学キャンパス・ゼミ 改訂8電磁気学演習 です。まず、キャンパス・ゼミを一通り読んで習ったことを思い出し、電磁気学演習で演習を行いました。キャンパス・ゼミを読んだのは4年の3月くらいで5年の4月から電磁気学演習に取り掛かりました。もう少し早めに始めればよかったと思います。電磁気学演習は過去問を見て出そうな問題しかやっていません。電磁気学に割ける時間も限られていますし、編入試験では出ないような難しい問題も多数載っているので、過去問を見つつ出そうな問題だけやっていくと良いと思います。

電気回路は毎年、交流回路の問題が1問、過渡現象の問題が1問出題されています。交流回路の問題と言っても、合成インピーダンスを求める問題やベクトル軌跡の問題、ブリッジ回路の問題、相互誘導回路の問題など多岐にわたるので一通り押さえておく必要があります。過渡現象の問題も毎年出題されているのでなるべく多くの問題を解いていろいろなパターンを押さえておくと良いと思います。逆に、三相交流回路や2端子回路網、2端子対回路網、ひずみ波、分布定数回路の分野からはここ数年出題されておらず、今後も出題される可能性は低いと言えます。自分はこれらの分野は三相交流回路を除いて一切勉強しませんでした。※三相交流回路は山梨大学の試験に出ていたので勉強しました。

自分が使用した参考書は、電気回路 1 直流・交流回路編 (専修学校教科書シリーズ 1)電気回路 2 回路網・過渡現象編 (専修学校教科書シリーズ 2)、です。これは学校の教科書でした。分かりやすい部分もあれば、分かりにくい部分もあり、発行年も古いことからオススメはあまりしません。それぞれの学校で使っている教科書でもよいと思います。この教科書に加えて、他高専の先生が作ってくださった電気回路の講義資料で勉強しました。これは、とてもわかりやすくてオススメです。自分は、4年の3月ごろから教科書とこの資料を併用して勉強を進めました。また、演習量を増やすために、詳解電気回路演習 上詳解電気回路演習 下を図書館で借りましたが、ほとんどやりませんでした。ただいろいろな問題が載っているので過去問を解くときの参考にはなりました。時間がある人は過去問と似た問題を解いてみるといいと思います。

試験の手ごたえとしては、だいたい電磁気学と電気回路を合わせて5割くらいかなといった感じでした。

 

数学

過去の出題傾向を以下に簡単にまとめます。数学は、大問が2つ出題されます。

 

R5(問題が手元にないので思い出せる範囲で書いています)

1.1 微分方程式

1.2 Z^4=〇を解く問題(複素関数

2.固有値固有ベクトルに関する問題

 

R4

1.1 増減表を作りグラフの概形を描く問題

1.2 マクローリン展開の問題

2.固有値固有ベクトルと2次曲線の問題

 

R3(実施無し)

 

R2

1.1 微分方程式

1.2 増減表を作り条件を満たす実数を求める問題

2.固有値固有ベクトルに関する問題

 

H31

1.1 複素積分

1.2 微分方程式の文章題

2.固有値と漸化式に関する問題

 

H30

1.1 数学的帰納法を用いて導関数の証明をする問題

1.2 偏微分に関する問題

2.固有値固有ベクトルに関する問題

 

H28

1.1 第n次導関数を求める問題

1.2 定積分に関する問題

2.行列Aに対してrankAを求める問題、固有値を求める問題

 

数学はここ数年、大問1が微分方程式複素関数微分積分からの出題されており、大問2が線形代数からの出題です。大問1はどのような問題が出題されるか予想しにくいのでまんべんなくやる必要があります。

複素関数については、ここ数年で2回出題されており、R5は編入数学徹底研究の例題15-1に似た問題であり、H31は比較的簡単な複素積分の問題であり、こちらも徹底研究の例題15-3に似た問題でした。いずれも教科書レベルであり複素関数の問題の中では比較的簡単な部類に入るので徹底研究等で一通り問題を解いておくと良いと思います。ただ複素関数については、毎年出題される訳ではなく、今後どのような問題が出るか予想しづらい上に、複素関数という分野自体が難しく教科書で勉強するにしてもそこそこ分量があり、どのように勉強を進めたらいいのか悩みどころです。自分としては、徹底研究は編入試験に出やすい問題がまとめられており、過去の2回の出題も徹底研究に似た問題でしたので、学校の授業等で一通り学習しているしている人は、徹底研究の問題や徹底研究の問題に似た問題を教科書で解くのがオススメです。一方で複素関数をまったく勉強したことがない人は、教科書を最初から一通りやるのではなく、徹底研究の問題を解くのに必要だと思われるところだけ読むようにするといいと思います。教科書だけで勉強しようとすると編入試験に出づらいことも扱っており効率がかなり悪くなってしまします。ローラン展開や留数定理などは複素関数の分野の後半で登場しますが、これらも出題されるかどうか判断が難しいところです。時間がある人はこれらも押さえておくと良いと思いますが、最終的には時間との相談になりそうです。実際、自分は4年生の時に学校の授業で複素関数を勉強しましたが、時間が無かったのでその後は勉強できず、本番でも出ないことを祈っていました。しかし、本番で出題されてしまいました。試験本番時点では、複素関数の知識はほぼ抜け落ちていましたが、私は、数学検定の対策で高校数学を勉強していたこともあり、たまたま高校数学の知識で解ける問題が出題されたので、思い出して解くことができました。本当にラッキーだったと思います。

微分方程式も、ここ数年で2回出題されており、基本的な問題よりは応用的な問題が出題されることが多いです。R5の問題はあまり覚えていませんが見たことがない問題で途中までしか解けませんでした。R2の試験では、線形でない2階微分方程式と、3階微分方程式が出題されました。H31の微分方程式は変数分離形であり、方程式さえ立てることができればあとは簡単でした。自分は教科書の例題と問、徹底研究の微分方程式の問題は1通りやりましたが、それだけでは解けない問題も出題されており、毎年出題されるわけではなく、どのような問題が出題されるか予想しづらいです。とりあえずは、教科書の例題や問、徹底研究の問題は確実に解けるようにし、余裕があれば編入数学過去問特訓等でさまざまなパターンに触れておくのがよいかと思います。

微分積分は、大問1で出題されることがあります。2変数関数よりも1変数関数の微分積分の方が出題されることが多い印象です。過去の試験では、増減表を作ってグラフの概形を描く問題、マクローリン展開の問題、偏微分に関する証明問題、ライプニッツの公式を用いて第n次導関数を求める問題、定積分に関する問題等が出題されました。2変数関数の極値問題や、重積分の問題はここ数年で出題はありません。とりあえず、1変数関数の微分積分を重点的に勉強すると良いと思います。自分は、教科書(新微分積分1新微分積分2)の例題と問はきちんと解けるようにし、徹底研究も該当範囲を1通り解きました。ただ難しくて試験に出なさそうな問題は飛ばしていました。

線形代数は、毎年出題されています。特に固有値固有ベクトル関連の問題がほぼ毎年出題されていますので、そこを重点的に勉強して得点源にしたいところです。過去には、連立方程式に関する問題が出題されたこともあります。自分はまず教科書の例題と問はきちんと解けるようにしました。徹底研究は第9、10章はほとんどやりましたが、第11章はベクトル空間や線形写像の問題だったのでほとんどやっていません。第12,13章は固有値固有ベクトル関連の問題なのできちんと解くべきだったのですが、時間が足りずあまりできませんでした。勉強法としては、教科書の例題や問を確実に解けるようにしてその後、編入試験向けの問題集で演習を積むと良いと思います。

数学の勉強に対する反省としては、とにかく全部やろうとして編入試験に出る可能性が低いと思われる問題に時間を使ってしまい、とても効率が悪かったなと思います。編入試験で点を取るための勉強ではなく、学びを深めるための勉強になっていました。もちろん時間的に余裕がある人は一通りやった方がよいとは思いますが、時間がない人は取捨選択が大事になってくると思います。試験の手ごたえとしては7割くらいできたかなといった感じでした。

 

英語(TOEIC

英語ついては募集要項に以下のような記載がありました。

現在,TOEIC®公開テストが抽選方式による申込受付となっていることを鑑み,令和5年度3年次編入学試験については,下記のとおりとします。 

電気電子工学コースにおいては英語(TOEIC)について 5 年以内のスコアを有効とし,IP テストのスコアも可とします。英語(TOEIC)のスコアがないものについては,提出された成績証明書に記載の英語の成績を評価に用います。 

自分は公開テストのスコア750点を提出しました。TOEICの勉強法については多くの情報をネットで得ることができると思いますので詳しくは割愛します。基本的にはスタディサプリENGLISHのTOEIC® L&R TEST対策コースを使いました。自分の場合はどのように対策していけばよいか分からなかったのでパーソナルコーチプランに入りました。コーチに学習スケジュールを立ててもらい、アドバイスをもらいながら学習を進めました。そのおかげでTOEICのスコアは

  • 3年の3月:550点
  • 4年の5月:620点
  • 4年の7月:735点
  • 4年の9月:750点

と伸ばすことができました。スタサプは関先生の解説が分かりやすいし、シャドーイングもやりやすいのでオススメです!

eigosapuri.jp

 

TOEICの点数を英語の得点に換算する式を公開している静岡大学工学部は700点以上で100点であり、岐阜大学工学部は730点以上で100点でした(R5年度編入試験)。これらの大学と同じくらいのレベルである三重大学も730点程度で満点になるのではないかと推測されます。

 

面接

学力検査の後に面接がありました。面接官は二人でした。面接の練習を何もしていなかったのでお昼の休憩時間に急いで志望動機だけを考えました。主に聞かれたことを以下に示します。

  • 三重大学への編入学を志望した理由
  • 卒業研究ではどのようなことをやっているのか
  • 試験の出来はどうか

合否に影響しない質問として

志望動機の内容が薄かったためか、もっと具体的に三重大学を志望する理由を教えてくださいと言われました。なので当然のことだとは思いますが志望動機についてはしっかり考えておいた方がよいと思います。学力試験による選抜の場合、面接は合否にそこまで影響しないと思いますが時間があれば面接練習をしておくとよいと思います。

 

過去問とその解答について

最後に私が保有している過去問とその解答例についてこちらで配布します。好きに使っていただいて構いません。H27については問題用紙は保有しているものの解答例は作成していませんのでご容赦ください。少しでも編入試験の勉強の役に立てば幸いです。

 

終わりに

今回の記事では、三重大学工学部総合工学科電気電子コースの編入試験の傾向と対策について書きました。質問等あればコメントしてください。長くなってしまいましたがここまで読んでいただきありがとうございました。

それでは!