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山梨大学 工学部 電気電子工学科 編入 体験談

こんにちは!MSKです。このブログを読んでいただきありがとうございます。

今回は山梨大学工学部電気電子工学科の編入試験の傾向と対策についてお伝えします。

筆記試験

筆記試験では、電磁気学、電気回路、電子回路(アナログ)の3科目を120分で解きます。電卓は使用できません。

電磁気学

過去の出題傾向を以下に簡単にまとめます。詳細はこちらで確認してください。

R5

1. 平行平板コンデンサーに関する問題

2. 銅線の抵抗や流れる電流、電子の平均移動速度を求める問題

 

R4

1. 点電荷による電位、電界を求める問題

2. ビオ・サバ―ルの法則を用いる問題

 

R3

1. 電気鏡像法を用いて電位や電界、静電力などを求める問題

 

R3 第2次募集

1. 導体球を導体球殻で包んだ導体系において電位や静電容量などを求める問題

 

R2

1. ビオ・サバ―ルの法則を用いてソレノイド内の磁束密度などを求める問題

 

H31

1. 同軸導体円筒間に誘電体を詰めた場合において電界や静電容量などを求める問題

2. 円形導線に電流を流した場合に円の中心軸上の点における磁界などを求める問題、それを用いて回転球導体の中心における磁界などを求める問題

 

H30

1. 異なる誘電率を持つ2つの領域において単位面積当たりのエネルギー変化や力を求める問題

2. 同軸円筒導体間が2種類の誘電体で満たされた場合の導体間の電場を求める問題

 

H29

1. アンペアの右ねじの法則を用いて導線に流れる電流によって作られる磁界の方向を示す問題

2. ビオ・サバ―ルの法則を用いる問題

 

毎年、いろいろな分野から出ている印象ですので、1通りやっておく必要があります。ただ、磁性体や電磁波の分野からの出題は、ここ数年ありません。ただ、R5の試験において銅線の抵抗や流れる電流、電子の平均移動速度を求める問題が出題されました。この分野は自分の過去問分析から出ないと予想して勉強をしていませんでした。なので今まで出題されていない分野からも出る可能性はありますが、とりあえずは磁性体と電磁波は後回しでよいと思います。

自分が使用した参考書は、電磁気学キャンパス・ゼミ 改訂8電磁気学演習 です。まず、キャンパス・ゼミを一通り読んで習ったことを思い出し、電磁気学演習で演習を行いました。キャンパス・ゼミを読んだのは4年の3月くらいで5年の4月から電磁気学演習に取り掛かりました。もう少し早めに始めればよかったと思います。電磁気学演習は過去問を見て出そうな問題しかやっていません。電磁気学に割ける時間も限られていますし、編入試験では出ないような難しい問題も多数載っているので、過去問を見つつ出そうな問題だけやっていくと良いと思います。自分はやっていないのですが気になった参考書としては弱点克服 大学生の電磁気学があります。ただ誤植が山ほどあるみたいなので注意してください。

 

電気回路

過去の出題傾向を以下に簡単にまとめます。詳細はこちらで確認してください。

R5

1. 直流回路において重ねの理もしくはキルヒホッフの法則を用いる問題

2. 直流回路のテブナンの定理の問題

3. RLC交流回路においてインピーダンスや電流を求める問題

 

R4

1. ラダー回路の問題

2. 直列共振回路の問題

 

R3

1. RL直列回路におけるベクトル軌跡や力率等を求める問題

2. 交流回路のテブナンの定理の問題

 

R3 第2次募集

1. 直列共振回路の問題

2. 相互誘導回路の問題

 

R2

1. 交流ブリッジ回路とテブナンの定理の問題

2. 相互誘導回路の問題

3. RC回路の過渡現象の問題

 

H31

1. 直流ブリッジ回路の平衡条件の問題

2. 交流回路において与えられた式から回路素子がコンデンサかコイルか判断する問題等

3. 三相交流回路において電圧や電流のフェーザ図を描いたり、力率を求める問題

 

H30

1. RLC直列回路の問題

2. RLC直列共振回路およびQ値の問題

 

H29

1. 交流回路の証明問題

2. RLC回路の合成インピーダンスを求め、定抵抗回路となる条件を求める問題

 

電気回路の方も毎年いろいろな分野から出題されている印象です。直流回路や交流回路の基本的な計算はできるようにしておきましょう。また、キルヒホッフの法則、重ねの理、テブナンの定理、Δ-Y変換などは確実に覚えておきましょう。出題頻度は少ないですが、相互誘導回路やベクトル軌跡、三相交流回路、過渡現象の分野からの出題もありました。逆に、2端子回路網や2端子対回路網、ひずみ波、分布定数回路の分野からはここ数年出題されておらず、今後も出題される可能性は低いと言えます。自分はこれらの分野は一切勉強しませんでした。まずは、出やすい分野から優先的に勉強することをオススメします。

自分が使用した参考書は、電気回路 1 直流・交流回路編 (専修学校教科書シリーズ 1)電気回路 2 回路網・過渡現象編 (専修学校教科書シリーズ 2)、です。これは学校の教科書でした。分かりやすい部分もあれば、分かりにくい部分もあり、発行年も古いことからオススメはあまりしません。それぞれの学校で使っている教科書でもよいと思います。この教科書に加えて、他高専の先生が作ってくださった電気回路の講義資料で勉強しました。これは、とてもわかりやすくてオススメです。自分は、4年の3月ごろから教科書とこの資料を併用して勉強を進めました。また、演習量を増やすために、詳解電気回路演習 上詳解電気回路演習 下を図書館で借りましたが、ほとんどやりませんでした。ただいろいろな問題が載っているので過去問を解くときの参考にはなりました。

 

電子回路(アナログ)

過去の出題傾向を以下に簡単にまとめます。詳細はこちらで確認してください。

R5

1. 発振回路の問題

2. エミッタ接地増幅回路の問題

 

R4

1. エミッタ接地増幅回路の問題

2. オペアンプの問題

 

R3

1. ダーリントン回路の問題

2. オペアンプの問題

 

R3 第2次募集

1. オペアンプを用いた低域通過フィルタ回路の問題

2. 自己バイアス回路の問題

 

R2

1. 差動増幅回路の問題

2. オペアンプの問題

 

H31

1. エミッタ接地増幅回路の問題

2. オペアンプの問題

 

H30

1. エミッタ接地増幅回路の問題

2. オペアンプの問題

 

H29

1. エミッタ接地増幅回路の問題

2. オペアンプの問題

 

電子回路の出題傾向としては、R4までは基本的にオペアンプは毎年出題されていて、もう1問はトランジスタを用いた回路の問題でした。特に、エミッタ接地増幅回路の問題が多く出題されていました。しかし、R5ではオペアンプは出題されず発振回路が出題されました。発振回路はここ数年で1度も出題がないので対策しておらず、試験で見たときは焦りました。今後は発振回路の分野からも出題される可能性があることを頭に入れつつ勉強を進めてもらえればと思います。また、バイポーラトランジスタは出題されますが、FETはここ数年で一度も出題されていません。

自分が使用した参考書は、なっとくする電子回路アナログ電子回路 第2版: 集積回路化時代のはじめての電子回路15講の3つです。対策は5年の4月か5月くらいから始めました。まずなっとくする電子回路を一通り流し読みし、その後過去問に取り掛かり、分からない問題を他の2つの参考書も使用して調べるという方法で勉強しました。なっとくする電子回路アナログ電子回路 第2版の著者は同じで後者の方がより詳しい内容を扱っています。わかりやすく書かれているのでオススメです。はじめての電子回路15講も電子回路の基本的なことが分かりやすくまとめられているのでこちらもオススメです。もちろん出やすい分野から勉強するようにしてください。例えば、変調・復調回路の分野からの出題はここ数年で1度もありませんので出にくいと言えます。

 

口述試験

口述試験は、筆記試験の後行われ、試験時間は10分です。配点は筆記試験が300点で、成績証明書+口述試験が100点の合計400点満点です。受験番号が早い順に行われるので早く帰りたい人は早く出願しましょう!

面接官は3人だった気がします。記憶が曖昧ですみません。聞かれたことは志望動機と卒業研究の内容、卒業後の進路などでした。とりあえずこの3つを答えられるようにしておくと良いと思います。志望動機でインターンのことについても話したのでインターンについても聞かれました。あと、得意教科や、試験の出来なども聞かれました。募集要項には口述試験の内容として「電気電子工学の基礎的事項」と書かれていましたが、実際にはそれは問われませんでした。

自分は口述試験はそこまで重要ではないと思っていたので志望動機だけは考えていましたが、面接の練習は一切やりませんでした。個人的には口述試験の対策にそこまで時間を割く必要はないと思いますが、時間的に余裕があれば練習をしておくと良いと思います。

 

過去問とその解答について

最後に私が保有している過去問とその解答例についてこちらで配布します。好きに使っていただいて構いません。少しでも編入試験の勉強の役に立てば幸いです。

 

終わりに

今回の記事では、山梨大学工学部電気電子工学科の編入試験の傾向と対策について書きました。質問等あればコメントしてください。ここまで読んでいただきありがとうございました。

それでは!